不器用な女性がリアルとゲームを行き来しながら明るい未来を手に入れるお話
14年前。とあるゲームを騒がせた存在が居た。名をノワール。彼女はそのゲームで破壊の限りを尽くし、アカウントを運営の手により削除された存在である。掲示板で彼女の名を聞かない日はないと言うほどに当時のプレイヤー達は熱狂し、絶叫した。そんな彼女が居なくなってから10年。一人の女性が丁度友達から誘いを受けてとあるゲームを始めようとしていた。<Imagination βrave Burst>かつてノワールだった少女は大人になり、息抜きにナンバリングタイトルでスローライフをしようと目論んだ。──よりにもよってかつて猛威を振るった種族とスキル構成で。彼女の力の根源はレベルにはない。その力から繰り出されるのは圧倒的想像力にあり、ただただ蹂躙されるだけのmobは納得できないとばかりに消しとんだ。──噂は加速する。「本家のノワールが帰ってきた! 早速注意書きを書いてこなきゃ」「ノワールって誰?」「知らないのか、かつての英雄だよ」『英雄』のに文字で括られるプレイヤーはそのゲーム内においてたったの10人しかなり得ない。そのうちの一人とあっては噂が噂を呼び、彼女の元へと押しかけるのも無理もない話だ。『あれ、バレた?』「あれだけ暴れたらバレない方がおかしいでしょうが」『なんでー? 全然力抑えたのに』「だめだこりゃ」かつての英雄が揃い踏むのは時間の問題だった。なにせ誘ったフレンドも英雄の片割れ。既に2人、そのゲーム内に君臨していたのだから。これはかつてのゲーム内のライバルが競い合い、ついでに恋愛したりして、そのうちゴールインする物語。恋愛<ゲーム:成分強めでお送りします。だって彼女の暴力はいつだって理不尽な力業だから。『それは酷くない?』「自業自得よ、ばか」ノワールは樹の精霊と呼ばれる『ドライアド』かつて『無能』と評されたその種族と、裁縫にのみ扱う『糸』のみで無双した破壊の化身である。その目立ちすぎる容姿で始めるプレイヤーは存在せず、それを選ぶ時点でノワールだとバレるのは時間の問題であることは当の本人は知らないでいた。Imagination βrave story第一弾…続きを読む