激しく、美しく、そして切なすぎる恋の結末を見届けてください。
海が見たいな。薄れゆく意識の中で、君はそう言ったね。かつてこんなにも激しく美しい恋があっただろうか――選考委員も号泣した、究極の恋愛小説。第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作!【ストーリー】様々な事情を抱える人間の澱が吹き溜まる街・イタギリ。世界からはじき出された者たちをかくまうかのように築かれた小さな街で、少年・晴史(はるふみ)は、日々、ごみ収集と死体運搬の仕事に従事していた。そんな晴史の唯一の安らぎは、通りで似顔絵を描きつつ客を引くシズクという名の少女への淡い恋心。晴史はシズクへの想いを募らせるが、黄昏色に覆われた希望のない街は、そんなちっぽけな少年の恋すら許すはずもなかった――。絶望の世界で出会ってしまった少年と少女が紡ぐ究極の愛の形とは?【激しさと静けさ、絶望と希望が同居する、究極の恋愛の形に絶賛の声!】「クライマックスから結末に至る凄絶なシークエンスを読むうち、どうしても涙が止まらなくなった。こういうのを「ボロ泣き」というのだなあ、と思った。ミステリやホラーの新人賞の原稿を読んで、こんなに泣いたのは初めてだった。――傑作である」 綾辻行人(作家・日本ホラー小説大賞選考委員)泥沼のような絶望を掻き分けて、見つけたロマンスの尊さに、少年はまだ気づいていないかもしれない。それは、我々この物語を読む者だけに、発見できる輝きかもしれないのだ。 長谷敏司(作家)美しいと言うにはあまりにも血と死臭に彩られ過ぎた、壊れたボーイミーツガール。それでもなお、美しい情景を思い描かずにはいられませんでした。 redjuice(イラストレーター)…続きを読む