型破りな青年騎士と魔導師見習いの少女の物語。※スニーカー大賞用の原稿をカクヨムから応募するために編集したものなので縦読みでの閲覧をオススメいたします。　以降は新人賞応募のためのあらすじにつき、ネタバレにご注意ください。【あらすじ】　魔導技術と呼ばれる知識体系が発達するヴァドルニア大陸は、長きに渡って続いた《大戦》の末に平和を築いた土地だった。アトラフィス王国騎士団の元筆頭騎士にして救国の英雄である青年ヴェントス・パウは、遍歴騎士として向かった旅先で〝怪物〟が故郷に現れたという噂を耳にして帰国する。　助言を得るべく訪問した友人の魔導師が暮らす森で、ヴェントスは魔導師見習いの少女フェイラ・ミュステリウムと出会い〝怪物〟の正体であった魔導人形《ゴーレム》に襲われた彼女の窮地を救う。魔導技術によって造られた魔導鎧《ブリガンダイン》で容貌を隠していたため、少女に本人だと気付かれないまま〝騎士さま〟として憧れられてしまう。　魔導人形の製造元と思われる帝国の属領地マセーラ《旧マセーラ王国》に、ヴェントスは魔導技術の知識を備えたフェイラをアドバイザーとして伴って向かった。その道中でまたも魔導人形によるフェイラの誘拐が行われるも、ヴェントスの活躍によって未遂に終わる。黒幕がなぜ少女を狙うのかを知るべく青年は彼女を護りつつ旅を続ける。　現地で再会した旧マセーラ王国の元筆頭騎士にして帝国騎士団の一員であるロウェル・デヴァイスやかつての戦友の助力を受け、ヴェントスは魔導人形の製造者である老魔導師の居場所を突き止める。しかし、老魔導師と共謀して帝国へのクーデターを目論んでいたロウェルの裏切りに遭い、さらには魔導人形にして魔導人間《ホムンクルス》という特殊な出生であったフェイラを攫われてしまう。　元は未完成の魔導人形として老魔導師に生み出されたフェイラを友人の魔導師に託すことで救ったのは、かつてのヴェントス自身だった。彼女を取り戻すべく、ヴェントスは自分にとっての憧れの存在でもあったロウェルと対決。死力を尽くした激戦の末にフェイラを奪還し、老魔導師やロウェルとの因縁にも決着をつけることに成功する。…続きを読む