征け。墜ちる星の、その滴の歌の先に。
著者: 増黒 豊
最新: さいごに
時間: 4 月 前
まとめ:
第二部連載中。ウラガーン史記に記された、その始まりの一節について描く。英雄王と呼ばれるに至るヴィールヒと、彼を支えし十聖将。国家と志と、精霊の巫女とが絡み合う中、彼らは古きものを打ち倒し、あたらしきものを作る。古き時代に戦った大精霊と、龍。人の世になり、それらは眠りについた。人の、心のその内側に。大精霊の翼は盾、龍の牙は矛。それらがぶつかるとき、星は雨となり、雨は血となり、地を濡らす。人はその滴の歌を奏で、そして聴く。そして、彼らは、繋ぐのだ。 その怒りを、悲しみを、喜びを。それは、さながら、暴れる風。