『あの日、助けていただいた子供です』出所した僕を待っていたのは……
※注:作中の名前が難読なのは、ヘイトキャラと読者様がなるべく同名にならないようにと思ってです。読みにくくてすみません。 最後まで読んでもらえると胸に落ちるストーリーになっています。【あらすじ】 引きこもりのニート。家族のお荷物で社会のゴミ。 始角司綿はそんな自分の状況に不安を覚え、漠然と何かしなければという焦燥感を抱いていた。 夜遅く、コンビニ帰りに聞こえてきた泣き声。 どうするのが正しいのか。どうすればよかったのか。 古アパートの窓に張り付けられた紙を目にした。『なす け て』 何もしてこなかった司綿が選んだ行動は間違いなのだろうか。正しければきっと犯罪者として報道されるはずはなかったのだから、間違えたのだろう。 逮捕され人生のどん底に叩き落された司綿に追い打ちのように、母が冬の川に身を投げたと兄が告げた。 自分のせいで家族を不幸にした。合わせる顔も詫びる言葉もない。言い訳さえ、もうできない。 何をする気力もないまま、十数年後の社会に出所した司綿の前に現れたかつての幼女は、彼に手を差し伸べた。「あなたの復讐を果たしましょう」 全て自分が悪かった。馬鹿なことをした。何もかも間違っていた。生まれてこなければよかった。死ねばよかった。死ねばよかった。死ねばよかった。 刑務所暮らしで自分を責める思考に陥っていた司綿に、道を示す楚嘉詩絵。 司綿に不当な罪を被せた人間がのうのうと生きている。復讐しなければならない。だけど、その敵の姿もやり方もわからないあなたを助けたい。 詩絵と妹の舞彩に手を引かれて、流されるままに。 復讐を進めるたびに嬉しそうに笑うかつての幼女たち。上手にできたでしょう。ほめて、ほめて。 進むごとに、自分がわからなくなっていく司綿。 何もできず、何もしてこなかった主人公が、自分が本当にやりたかったこと、すべきことを見つける物語。…続きを読む