夢を見守る少女と、夢に向かう魔法少女。「癒せない」ふたりの日常の物語。
著者: @640orz
時間: 4 月 前
まとめ:
柊 聖(ひいらぎ せい)の日常には、魔法少女がいる。 雪村 翠(ゆきむら すい)。それが、美しいアッシュ・グレイの髪を持つ、彼女の名前。 ひとつ年下だけれどずっと背の高い、また大人しい、高校でもバイト先でも後輩である彼女はたったひとつ、ほんのささやかな魔法を、小さな小さなその奇跡を、傷ついた誰かを、その傷を癒すために使うことができる。 こうありたい、こうなりたい。胸に夢を抱きながら、魔法のことなんて普段はおくびにも出さず、翠は日常を過ごしている。 翠の夢。それは小説家になること。自分の物語を、伝えること。 聖には夢がない。だから翠の夢を、見守っている。 彼女だけでなく、その夢を持つ身近なものを、聖はほかにも知っている。 その人の持つ夢への渇望を、聖は自分では埋めきれない、癒し得ないことを自覚している。 翠が願うのは、翠もまた、自分の持つそのちからでは、癒し得ぬ人がいるから。 夢を見守るもの。 夢を、追うもの。 ふたりは出会い、再会し。先輩と後輩として、同じ高校に通う。 これはそんな、「癒せないふたり」のお話──……。 毎週更新、夢を追う「ささやかな」魔法少女と、夢を見守る少女の物語です。 どうぞよろしくお願いします。…続きを読む