その昔、大八島のひとつに筑紫という島があった。その東にある速津国という小さな国には、昔から強大な山神が住むと言われていた。鼠窟屋の青と白と二人の首領は、山守として山神に仕えていた。多様に満ちたかれらの暮らしはやがて、都軍の大八島統一という目的の下、戦いの惨禍へと変わっていく。