勇者は死んだ。
著者: 縁日 云
最新: 31.既視の覚醒
時間: 5 月 前
まとめ:
かつて忌むべき邪神の徒としてラシル大陸を追放された種族、魔人。 二千年の時を経て再び彼の地に舞い戻った魔人は純人に宣戦布告した。 強力な力を持つ魔人達によって、次々と陥落していく純人国家。 もはや敗北は必至と思われる中、純人は一人の青年に希望を託した。 強大な力を以って次々と占領された地を取り戻す彼は、人々に勇者と呼ばれるようになる。 最終的に戦いは勇者の台頭によって、純人の勝利で幕を下ろした。 救世の英雄として称えられることとなった勇者。 だが、その勝利を祝する為の場で勇者は何者かによって暗殺されてしまう。 ――時は僅かに進み、ラシル大陸から遠く離れた地、フェイル大陸で一人の魔人が生まれた。ファリスと名付けられたその赤子には生れついて純人としての知識と自我が備わっていた。 ただし純人として生きた記憶だけはそのほとんどが失われた状態で。 魔人でありながら純人としての自我を持つ。その自己矛盾に思い悩むファリスは、実の両親に対してもどこか心を開ききれないでいた。 自分は一体何なのか。時折夢に見る光景は、あの少女が誰なのか。いつかその答えを得るためにも勉学や創術の鍛錬に勤しむ。「ファリス! 本なんて読んでないで、今日は剣術の稽古よ!」「えぇっ!?」「とりあえず、まずは一時間はぶっ通しで打ち合いよ!」「!!??」 ――ことはあまり叶わず、今日も今日とて父親と剣術を愛してやまない腕白な姉、シスカに振り回され続ける毎日を送るのだった。 これは一度全てを失った勇者が、いつか交わした約束のために大きな運命に抗う。そんな再誕と再会の物語。【旧題:魔転の勇者】※ノベルアップ様にも投稿させていただいております。…続きを読む