ゾンビも生存者もいなくなった世界の敵は孤独と自然だった――

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著者: 九詰文登
時間: 4 月 前
まとめ:

恐らく人類の生き残りは自分だけであろうこの世界で、種の存続という愚かな使命感を覚え、生きる青年がいた。パンデミックをきっかけに、寄生菌に脳を犯された人間は、尋常でない凶暴さを以て人間を襲い始めた。しかしそれも既に昔の話であり、かつて人間を襲っていた感染者たちはその姿を変え、樹へと変化していた。パンデミックが起き、終息した世界で、生き残った青年、彼の名はレイ。自らの命のためなら仲間すらも切り捨てる冷酷無比な性格でパンデミックを切り抜けた彼に残ったのは自責の念と孤独であった。東京五輪が行われるはずだった夏。三年の月日を生存に使っていた玲は既に生に対する気力を失いつつあり、生きていると言うより死んでいない生活を続けていた。孤独を紛らわすために独り言を話し、妄想の友人と話し続ける玲は今日も一人アジトで、カップラーメンを啜る。※縦組み推奨。読み切り版もあります→https://kakuyomu.jp/works/1177354054891987016…続きを読む

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