時は、明治二十年。浅草にある黄昏座は、妖を題材にした芝居を上演する、妖による妖のための芝居小屋。記憶をなくした主人公は、ひょんなことから狐の青年、琥珀と出会う。黄昏座の座員、そして自らも”妖”であることを知る。主人公は失われた記憶を探しつつ、彼らと共に芝居を作り上げることになる。提灯からアーク灯、木造からレンガ造り、着物から洋装、世の中が目まぐるしく変化する明治の時代。妖が生き残るすべは――芝居にあり。