ニュージーランドと日本を舞台にした真っすぐで切ない実話を基にした恋物語

恋愛 50K Active
著者: 二階堂仁
最新: 54止
時間: 4 月 前
まとめ:

主人公は長崎出身の28歳、中村竜一。ヒロインは岩手出身の26歳、佐々木真理。旅行代理店勤務の竜一がニュージーランドに赴任していたとき、仕事でオークランドを訪問した真理と出会う。 真理は外国語大卒で、元々海外勤務に憧れを持っていたが、東日本大震災で祖母や実家を津波で失った経験から、家族の近くで生活を送ろうと、地元の岩手で就職した。しかし、ニュージーランドの開放的な雰囲気に触れたことで、かつて描いていた夢への未練や海外への情熱が高まり、ワーキングホリデーで半年間だけニュージーランドで暮らすことを決める。 竜一はオークランドで出会って一目惚れしていた真理を積極的に食事や遊びに誘って接近を試みるが、真理には中国人のカイという婚約者がいると知る。それでも、ニュージーランドの美しい自然や星空に触れながら、2人の仲は急速に近づいていった。 長崎出身の竜一の祖父は8月9日の原爆に遭った被爆者で、竜一は被爆3世にあたる。竜一の祖父はいつも優しくしてくれたが、父は厳格で、竜一にとって家族の愛情をあまり受けずに育ってきた。しかし、真理と会って仲が深まることで自らの家族観に変化が生じたことを感じ、愛情の意味を知る。 真理も東日本大震災で祖母を亡くしてから、家族というものを深く考えるようになり、弟を事故で亡くしたカイとも共通の家族観を持っていることから婚約するに至った。 竜一は真理がニュージーランドでのワーキングホリデー期間中に日本への異動を命じられ、帰国する。しかし、真理は竜一がいなくなったことで改めてニュージーランドで過ごしてきた生活の大部分を竜一との思い出が占めていることに気付く。そして、真理が帰国する前に、もう一度だけ竜一とニュージーランドで会っておきたいと思い、手紙を送る。 オークランドにいたころ、真理は竜一からのキスやスキンシップを頑なに断り続けていた。しかし、再びニュージーランドで会った時には我慢の糸は切れ、激しく求め合った。その日はイギリスの古い言い伝えで「聖スウィジンズデイ」と呼ばれる日で、真理は真理なりの理由を持って竜一との時間を過ごしたのだった。 真理もワーキングホリデーを終えて帰国して少ししたころ、竜一の元へ真理から手紙が届いた。そこにはカイが「フィアンセではなくなった」と書かれ、会いに行くとあった。 竜一と真理の恋愛を縦軸に、2人の恋愛や家族に対する気持ちの変化を横軸にして、海や空が美しいニュージーランドを舞台に20代後半の若者たちの心が成長していく全54話の青春ドラマ。…続きを読む

Top