銀河帝国と反乱軍、自由軍、電人会議、時はまさに叛徒の時代!
宇宙に進出した人間の文明を、銀河帝国が統べるようになった世界。 帝国に反旗を翻した反乱軍は、劣勢の中でも戦いを続けていた。 多くの惑星で、宇宙の片隅で、様々な人間が、それぞれに生きている。 あるものは反乱軍に、あるものは帝国軍に、何かをかけ、何かを奪われ、 戦い、逃げ、滅ぼし、守り、 生み出し、消し去り、 生き抜き、散る。 全てを残し、全てを捨て去り、 そうして明日へと向かっていく。 周到に暫定的な安全圏、補給線や兵站を用意し、 反乱軍は長い時間、そこここで帝国軍と小競り合いを続けていた。 反乱軍に協力する傭兵、帝国から反乱軍に走るもの、宇宙海賊、非情な帝国軍人、そして、一般市民たち。日常は喜怒哀楽の中で、続いていた。(SS第1話〜SS第20話) しかし反乱軍は突然の帝国軍よる大規模な攻撃を受け、反撃に転じることを余儀なくされる。 その中で反乱軍は帝国軍と空前の宇宙艦隊同士の大会戦の末、帝国軍を押し戻すことに成功する。 反乱軍は自らを「自由軍」と称して、帝国との対決姿勢を明確にさせるが、帝国軍はこれをテロリストとして討伐すると決める。(LS第1話) 自由軍と帝国軍の戦いは数え切れない人々の未来に影を落とす、大規模な混乱と破滅への道に踏み出す、その第一歩だった。 帝国軍は大規模な攻勢を展開していく。国内の思想を「弾圧」と呼ばれることになる、強引な手法で統一を図る。自由軍も高度な人工知能を本隊から分離し、彼らは「電人会議」と自らを名付け、別路線を進む。攻勢を強める帝国軍は自由軍の指導者を拉致し、情報を得て、人的にも物的にも締め付けを強くしていく。 その騒乱の中に芽吹く、自由軍勢力が潜む惑星インディゴの束の間の平穏。そこから銀河帝国の支配域から未開拓宙域に脱出しようとする意志。 新たな旅路に続く光の道は、果たして残るのか。そして、どこまで続くのか。 追い詰められた自由軍は帝国軍との決戦に総力を結集するも、敗れ去り、ここに帝国は平和を取り戻す。 帝国は二度と反乱分子を増長させないために、貴族を増員し、支配している広大な領域の管理監督、統制を厳密に行う方針を取る。その中で武勲により貴族に任命された若者は、訪れた平和な世界で、ささやかな夢を現実に変えていく。(SS第21話〜SS第30話)ただ平穏も束の間、自由軍から独立していた人工知能を中心とした組織「電人会議」は行動を開始する。それは惑星インディゴから旅立つ人々の為の行動でありながら、もう一度、戦いを起こすことに他ならなかった。電人会議は、自由軍の敗残兵も参戦させながら、帝国軍の人工知能に働きかけ、帝国軍艦船の一部を奪取する。また、帝星などの情報やインフラに機能不全を起こさせる。そうして、稼いだ時間により、惑星インディゴは旅立ちの準備を進めていた。帝国軍は大部隊を編成し、電人会議にも容赦なく攻勢を強める。その攻勢が電人会議に対して、あまりにも的確であることに疑問が浮かび上がった時には、すでに、一度は帝国に背を向けたはずの人工知能が電人会議を裏切る、という想定外は起こっていた。情報漏洩から、電人会議の中枢が攻撃され、その演算能力の基礎である装置を物理的に破壊される事態になる。電人会議は急遽、惑星インディゴの存在を隠す必要から、決死の作戦を立てる。そして、帝国軍を騙すことに成功するも、組織としては消滅する。電人会議の残存戦力と敗残兵の戦力は、一つになり帝国軍と最期の決戦を挑み、これは帝国の物量を前に制圧される。全ての戦闘は終結し、この戦いにより、帝国は領内の平穏を取り戻した。ただ、この電人会議との戦いを経て、人工知能そのものに対する人間の姿勢が変わり始めることになる。惑星インディゴは死守され、銀河帝国の支配領域から逃れる移民船の第一陣は無事に進発した。彼らがどこへ向かったのか、どこにたどり着いたのかは、謎である。(LS第2話)紛争の時代を抜けた帝国では、変わらず、人々は生きている。日常は戻ってきた。起伏のある、誰もが流される日常が。(SS第31話〜SS第34話) 三十四の短編(SS)と、 二つの長編(LS)で描かれる、 喜劇、悲劇を、 御照覧あれ!(※第1回ファミ通文庫大賞 三次選考 落選)(※SS第1話〜SS第20話は、それぞれが独立したお話です。LS第1話以降は連なったお話になってます)(※外伝、前日譚としての長編「銀河に咲く花」があります)…続きを読む