小説家を目指す御堂　要（みどう　かなめ）は意識高い系の大学二年生。　自分に才能があると過信するが、自信作は一次選考落ち、入っていた文芸サークルはメンバ―とケンカして辞めてしまい、バイト先ではグズ扱いされるとロクなことがない。　　缶ビールを片手にアルバイトから半泣きで帰る夜道、要は自分の住むマンションの前で待ち受けていた少女――海江田　よもぎ（かいえだ　よもぎ）から飛び蹴りを食らい意識を失う。　気がつくと要は自分の部屋にいて、そこには自分を気絶させた張本人であるよもぎもいた。　憤慨する要に、よもぎは自分がこれから作るサークル〝マヨイガ探索隊〟に入るよう誘ってくるのだった――。登場人物　御堂　要（みどう　かなめ）　小説家志望、自意識がムダに高い、痩せ型メガネの青年。大学でもバイト先でも所属する文芸サークルでも馴染めず、嘆いていたトコロでよもぎと出会う。　海江田　よもぎ（かいえだ　よもぎ）　要の前に突然現れ、彼を自分が作るサークル〝マヨイガ探索隊〟に勧誘してきた女。そこそこスタイルが良く愛嬌もあるが、強引で策略的な面もある。　実里沢　玲実（みのりざわ　れいみ）　この世非ざるモノが見える〝見鬼〟の目を持つサブカルファッションの少女。大学入学式での事件を予見したとで噂が立ち、孤立する。他人に対してやや攻撃的な性格。　　犀川　秋吉（さいかわ　あきよし）　要と同学年の、凄みのある風貌をした長身の青年。学生会と空手部に所属。硬派で面倒見がよく慕われるが、周囲の者とは一定の距離を保っている。　実里沢　夢瑠（みのりざわ　ゆめる）　長野から来た玲実の妹。一見人当たりの良い美少女だが、自身が主催する会に玲実を呼び戻そうとするなど企みを抱えている面も窺える。　室伏（むろふし）　精悍な顔立ちをした巨体の中年男。夢瑠と共に長野から訪れる。玲実、夢瑠とは彼女らの祖母からの付き合い。…続きを読む