自分はただの不運な雨男と思っていたが、どうやらそれだけじゃないらしい。

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著者: aoiaoi
最新: 未来
時間: 4 月 前
まとめ:

超絶雨男のDK・雨宮旭は、デートの度の豪雨が原因で失恋し、とうとう空に向け暴言を吐く。すると、烈風と共に美貌の雨神がベランダへ降り立った。彼の名は須佐瑞穂。旭は怪しむが、瑞穂は驚きの事実を語る。旭の祖先であるさよという娘がかつて雨神の人柱となり、彼女は瑞穂の祖父である初穂に神の世へ召し上げられ、初穂と相思相愛となったという。妬まれたさよは女神に毒殺され、初穂はその後悔から、雨宮家に再びさよに似た子孫が生まれればその子を召し上げ、今度こそ幸せにするようにとの遺言を残した。そしてその子孫が旭だという。旭は困惑するが、やむなく瑞穂と共に神の世へ発つ。 神の世での旭の扱いはまるで高貴な姫君のようだ。しかし雨神の城の家臣達の空気は冷たい。檻の中のような孤独を味わう旭。そんな旭を温かく見守る瑞穂の優しさや美しさに、旭は次第に惹かれ、戸惑いを募らせていく。 自分をどんな存在と見ているのかという旭の問いを瑞穂は誤魔化そうとするが、旭に問い詰められ、真実を明かす。瑞穂は旭を幼い頃から見守っており、旭の純粋な優しさに惹かれていた。旭を傍に置きたいばかりに無理やり天へ連れてきた、と告げる瑞穂。しかし旭には、それは怒りより喜びとなった。 ある夜、上位の神である星の守の城での公務を終えた瑞穂は満身創痍で帰城した。星の守の祖母の刻の守から、瑞穂が星の守から残酷な仕打ちを受けた事を知らされ、旭は意識の戻らない瑞穂を必死に看護する。 意識の戻った瑞穂に想いが溢れた旭は、瑞穂に身体を委ねようとするが、瑞穂は旭の中にさよが巣食い、旭を操っていることに気づく。さよの無念は長い年月で怨霊と化していた。瑞穂への恋情がさよの仕業だという事実に混乱する旭だが、このままではさよに心身を奪われるとの瑞穂の言葉に、さよの除念に応じる。旭の体を操り瑞穂に襲いかかるさよだが、初穂の念が彼らの元に届けられる。今は別の星で新たな命を育む初穂に招かれ、さよは初穂の星へ旅立つ。 心身共に結ばれた旭と瑞穂。瑞穂は旭に齢分を申し入れる。神と伴侶の命を等分する、婚姻と同義の儀式だ。旭は頷き、儀式に臨むが、旭は謎の不調で儀式中に倒れる。不調の原因は、瑞穂の城に入り込んだ百合の精、かのこの毒によるものだった。かのこは瑞穂を強く恋慕していたが、旭の存在を知り恨みを募らせていた。瑞穂はかのこを追撃し、かのこは絶命するが、その際の瑞穂の稲妻が神の山を炎に包んでしまう。 人の世へ戻す以外回復の道はないとの事実に、旭を手放し下界へ帰す瑞穂。そして瑞穂は神の山を穢した罪を許される代償に星の守との婚姻を強いられる。 望みの消えた日々の中、瑞穂は刻の守から「自害することで神は人間となり下界へ堕ちる」との話を聞く。その道を選ぶ瑞穂。自害した瑞穂の身体は、刻の守の計らいにより雨神を祀る神社へと送り届けられた。 下界で再会を果たす二人。漸く幸せを得た彼らは人間の生を味わい、やがて瑞穂は他界する。 天に戻った瑞穂に、初穂は新たな星での神の任を約束し、今度こそ旭と共に踏み出すよう呼びかける。地上の旭と天上の瑞穂は、再び真っ直ぐに見つめ合った。…続きを読む

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