さようならば、もう一度がないことを

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著者: 鑽そると
時間: 4 月 前
まとめ:

ひとりの女がいた。神様からのえこひいきを全部詰めたような美しい女には絶対的な厳守ルールがあった。「私はね、誰からも愛されるの。私を愛することは正しいの。正しくないものは排斥されてしまうのよ。ねぇ、だから、水樹くん?あなたも私を愛さないといけないの。」女は琴を弾いたような声で可愛らしく小首を傾げて、そう、言った。_____雪ノ下水樹の瞳には人知れず存在する人外が映る。けれど水樹には彼らよりもなによりも悍ましい、恐怖そのものである美しく愛されるべき女がいた。ゲームのバグのような力を持つ自愛主義の女に「愛する」ようにと付き纏われる日々に疲弊し、辟易した水樹は「なんでもいいから縁を切ってほしい」となにかに願った。そして願いは捧げられた。縁を切ること結ぶことに定評があると騙し絵みたいな顔で笑って現れたひとでなしの彼女は、女は別の世界からやってきたのだとばけものの正体を語り始めた。これはただひとつ、手に入れた幸福を奪われたくなかっただけのおはなし。…続きを読む

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