深淵を覗き込む。

ホラー 130K Active
著者: 石濱ウミ
最新: 第20話
時間: 4 月 前
まとめ:

事故をきっかけに左眼に彼岸のモノが視えるようになった三ツ國(みつくに)史堂(しどう)は、その左眼に導かれるようにして古道具屋『鬼灯』へと足を踏み入れ一人の青年と出会う。それは古道具屋『鬼灯』の店主であり、恐ろしいまでの美貌を持つ鬼無(きなし)千加良(ちから)であった。 史堂の左眼に映る「視えるもの」を全く恐れることのない千加良は、暇潰しと称して史堂の左眼に映し出されるモノの解明に乗り出す。嫌々ながらも付き合わされることになった史堂は、その左眼の映す奥にある真実を、千加良と共に解き明かす。 第一章で千加良は史堂の左眼の秘密を知ることになる。そのきっかけは、別の店より譲り受けたカセットテープだった。テープには不気味なおままごとの様子が録音されていた。テープを聞く間に無惨な姿の少女の姿を左眼に視た史堂は、動揺する姿から千加良に左眼の秘密を知られる。同時に、この恐ろしい秘密を誰かに知って欲しいと思っていたことに気づくのだった。史堂は左眼に映し出された少女の姿から、夢を見る。その夢の中で少女が殺されてしまったことを知る。またテープを録音したのはその少女を救えなかったことに罪悪感を持つ兄だった。その兄も妹と同様に此方を彷徨っていた。千加良と史堂は真実を知り二つの魂を解き放つ。 第二章では、史堂の左眼が彼岸を視ることになった事故のきっかけが、史堂と血の繋がりのない妹である棗(なつめ)の愛されなかったが故に、愛されたかった所為で両親を殺そうとしたことに端を発していたことが分かる。 第三章では、千加良が夜を一人で過ごすことが出来ないのは、三年に一度視る夢の所為であることを史堂は知ることになる。それは顔も知らない千加良の父親の家にかけられた呪いの所為だった。夢の中へと囚われてしまう前にその呪いを解き放ち、千加良は悪夢から自由になると共に自分の気持ちに気づく。…続きを読む

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