異世界に転生した主人公のウィルは十才になった折、慣例にならってスキルを授かった。ウィルのスキル【卵】は鶏卵を無限に生成できる能力で、鶏卵は異世界ティル・ナ・ノーグでは大変貴重だった。そこに目をつけた街の大商人であり、ウィルの師匠となるルドルフは彼を自身の商人ギルドに引き取った。　十八才になるまで、ルドルフの指導を受け、鶏卵を大量生産する毎日を送り。　当面の食いぶちには困らないほどの貯金を手にいれるまでになっていた。　しかし、その年に師匠のルドルフが急逝してしまうと。　もともとウィルに嫉妬していた兄弟子が、半ば強引にウィルを追放してしまう。　ウィルは兄弟子に怒りを覚え、絶対彼らよりも大きな偉業を成し遂げる男になると誓う。　そこでウィルは一念発起し、王都へと向かった。　王都に着くと、ウィルはちんぴらに襲われている女騎士を目撃し、助けるため大声をあげ、警備兵を呼んだ。警備兵がやって来るとちんぴらは逃げ、女騎士ヴァージニアはバツの悪そうな感じでウィルにお礼を言うと。ヴァージニアは駆けつけた先輩たちから叱責され、家名ばかりの騎士崩れはさっさと結婚した方がいいと揶揄されるのだった。そばで様子を見ていたウィルは彼女に励ましの言葉を贈ると、ヴァージニアは家に寄っていかないかと打診する。　ヴァージニアの家にお邪魔したウィルは彼女に身の上話を聞かせ、自身のスキルを使って卵料理をふるまった。　卵料理が好きだったヴァージニアはウィルと意気投合し、しばらくの間一緒に暮らすことになった。　ウィルは貯金を使い、自身の商人ギルドを起ち上げる。王都の一角に卵の専門店を構え、どこよりも安く美味しい卵を提供し始めた。異世界ティル・ナ・ノーグで卵は貴重だったが、衛生面などの不安から、当初は客足がつかないでいたものの。ウィルは王都にある教会にいる孤児たちに卵を提供し始めた。　ウィルの狙いは形式上、孤児たちの保護者をしている王家血筋の王女だった。ウィルの狙いはこうをそうし、ある日、ウィルは王女に取り次いでもらった。その時ウィルは王女に新鮮なＴＫＧを振る舞い、自分の卵を評価してもらい、王女の書状をもらう。　ウィルは王女の書状と共に王都の目ぼしい店を訪れ。　自分の店で売っている卵よりもさらに安い卸値で提供する商談をつなぐことによって。　ウィルの卵は王都でも信用を増やしていき、徐々に客を集めていった。　仕事で成功を収めつつあるウィルとは他所に、一緒に暮らすヴァージニアは影を落としていた。彼女が落ち込んでいるのに気付いたウィルはそれとなく励ますと、ヴァージニアは冗談のようにウィルとの結婚をほのめかす。ウィルもその冗談にあわせるように、二人の結婚を口にすると、彼女からキスをされてしまう。　その翌朝、ヴァージニアを起こしに行くと、彼女は巨大な卵の殻に包まれていたのだった。　この物語はスキル【卵】に覚醒した青年が、エッグオブタイクーン（卵の大君）として世界に進出する出世物語である。==================================================※レイティングは保険として全部持たせています　現在はそこまでの残酷描写・暴力描写、過度な性描写は想定しておりません…続きを読む