ふわり、と風を感じた。それと同時に胸を貫く熱く、冷たい感触。 「あっ……?」思わず、声を零しながら胸を見降ろす。豊かな胸の谷間から、鋭利に輝く諸刃の切っ先が覗いて―――異世界に召喚された直後に殺された女性。しかし彼女は、その世界のとある理によって別の存在として再誕した。その世界でも稀有な存在となった事に戸惑いながらも、彼女は冒険者としての道を歩き出した。