国家の守護者たる国立国教騎士とは血統と才能がすべて。血統と才能の世界であった。それが世界の常識であった。長い歴史を持った王侯貴族が圧倒的な力を持ちすべてを支配していた。　王立国教騎士学園。　国に神に忠誠を誓う国立国教騎士の卵を育成する世界最高峰の学園。当然名だたる貴族や王族が通う学園である。そんな学園に一人のスラム育ちの少年が入学する。　奇跡的に入学出来たはいいものの少年のクラスはEクラス。落ちこぼれクラスであった。　　しかし、少年はそんなことでヘタレない。どころか気にもしない。当然だろう。なぜなら少年の目的は神殿騎士になることでもなんでもなく結婚相手を作ることにあるのだから！　　少年の婚活が今始まる！　　あぁ、だが、だが、だが。　王立国教騎士学園を統括する立場にある学園長は知っているのである。知ってしまっているのである。　少年が最強であることを。異端審問官であることを。　建国の時から闇に潜みすべてを狩り尽くす最強の一族の生き残りであることを。　ただひとえに婚約を、彼女を作ることを目的に学園生活を送る一人の少年の物語は。　この世界のどこにまで波及していくのか。　それはまだ、神でさえも知らぬ物語。　　今、新たなる神話が紡がれる。　…続きを読む