夢を見た。不思議な夢だ。 夜空にぼんやりと浮かぶ月が泣く夢だ。 一筋の白い輝きがグラスの縁を伝う雫の様に月から溢れて、雲一つ無い夜空に落ちる夢。 寝苦しいむせ返るような七月の夜、 神崎創(かんざき はじめ)は人形の様に美しい少女と運命的な出会いを果たす。 夏の夜空から降ってきた、人間離れした容姿を持つ少女。 サラと名乗る少女との出会いが神崎創の運命を大きく変える。 決して忘れることのできない、少年と少女の物語が幕を開ける。