本当は、――のことが好きだった。
著者: 西木宗弥
時間: 4 月 前
まとめ:
「わたし、彼氏ができたからもう二人で会ったりするのはやめた方がいいね」 高校二年の夏、僕――長浜凜玖《ながはまりんく》は、ずっと想いを寄せていた同級生――九条雛美《くじょうひなみ》さんにそう告げられ見事に失恋してしまった。「ねえ先輩、試しにあたしと付き合ってみませんか?」「兄さん、美帆のこと妹じゃなくて、一人の女の子として見てくれますか?」「凜くんって、彼女とか欲しいって思ったりしないの……?」 そして僕の撃沈を知ってか否か、バイト先の後輩、義理の妹、近所の幼なじみから代わりに自分が彼女になってあげると投げかけられる。 励ましてくれているのは分かるけど、そんな埋め合わせのような理由で相手の善意に甘えるなんて――とも思いつつも、僕は彼女を作ってしまった。 ――が、その時の僕はまだ知らなかった。 その裏で様々な人達の思惑が働いていたことを―― その日を境に、僕の日常、学校生活は大きく変わり始めた。…続きを読む