どんどん甘く溶けていく氷姫との日常生活。もう元の生活には戻れない
海以蒼太は普通の高校生である。今日も変わらず、日常を過ごしていた。そんな彼は。登校する度に幸せを噛み締めていた。彼の乗る電車には、とある美少女が乗っていたからだ。真っ白な髪に、蒼い瞳。西洋人のような顔立ちはどこか儚く、美しい。スタイルも抜群であり、アイドルや女優なんかも目では無い程の美貌を兼ね備えている少女。彼女は、隣の高校で【氷姫】と。そう呼ばれていた。蒼太はそんな彼女を電車に乗る度に視線で追っていた。話しかけていた生徒はことごとくフラれ、今ではこの車両には彼と彼女以外の高校生は乗っていない。このまま、平凡な日常を過ごすのだと思っていた。別に、お近づきになりたいとか。そんな事は考えていなかったから。だが――ある時。事件は起こる。彼女が痴漢に遭っている所を蒼太は見てしまった。誰も助けようとしない。そんな中、蒼太は勇気を振り絞って彼女を助けた。そして、次の日。また日常に戻るのであろうと思っていた蒼太の目の前に彼女が現れた。「その……この前、助けてくれたから。お礼、言いたくて」【氷姫】……こと、東雲凪。昨日助けた少女であった。普段から見ていた相手なだけに、蒼太は戸惑いながらもお礼の言葉を受け取り。……しかし、また距離を取ろうとしていた。彼は。いつもの日常が嫌いではなかったから。その時だった。「お願い、したい事が。あるんです」どこか、悲痛な言葉に蒼太は耐えきれず。そのお願いを聞くことになる。「電車に乗ってる間。傍に居て……欲しいんです」その言葉を――蒼太は断る事も出来ず。引き受ける事となった。しかし。蒼太はそんな彼女に幾度となく翻弄される事をまだ知らずにいた。2023年1月17日 セルフレイティング 『性描写あり』をONにしました。ONにしましたが、念の為にしただけです。それを期待して読まれると物足りなく感じてしまうと思います。ご了承ください。…続きを読む