小学生くらいまで、体調を崩してばかりで自室か病室かのどちらかにしかいなかった。長いこと陽射しに当たろうものなら肌は赤くなり、そのうちブツブツと膨らみ始める。そんな身体だから、日焼け止めが手放せないし、運動は大の苦手。体力も筋力も身長も平均以下。何ひとつとしていいところのない自分だけれど、まぁ、生きてりゃなんとかなる。そう思って、友人と過ごしてきたけど－－母の祖国にかつてあったその血。今も尚引き継がれている血であるのに、目にすることは殆どない。貴族は決して労働をせず、高貴な血を遺そうと近親婚を繰り返し、それを永らえた。勿論代償はあったと、歴史書やブラウン管を通して幼い頃に学んだ。初めて目にしたのはいつだっただろうか。青い血。真っ白な肌に浮かぶ静脈と、健常とは思えない程虚弱な身体。それらを持つ人が、女であろうと男であろうと、僕の運命だ。そう信じて、今日という日まで生きてきた。そして見つけたのだ。見つかってしまった。彼に違いない。誰だアイツは。この手に収めたい。やば、追ってきた。逃がすものか。逃げなければ。逃走劇×ラブコメディ。時々、真面目に恋の話。…続きを読む