ヴィクトリア国王第二王子アレックスは、生まれながらにして類い稀なる才能を持っていた。底無しの魔力量と魔法のセンスを持った彼は、第一王子イピクレスの王位継承に支障を来すほどの巨大な影響力を宮廷内へと持ち込む事になってしまう。このまま宮廷が二派に分裂してしまうことを危惧した二人の実父にしてヴィクトリア国王アフィトリオン三世は、まだ幼いアレックスを無実の罪で貶めて奴隷階級に落とすという策謀を巡らす。その結果、王都の闘技場で奴隷剣闘士として来る日も来る日も戦いの日々に身を投じる。しかし、純粋に強くなる事を追求し、強敵との戦いを何よりの楽しみとするアレックスにとって闘技場での暮らしは、宮廷での煩わしさから解放された至福の時間であり、ここでの生活に満足していた。五年後、闘技場で常に勝ち続けたアレックスは次第に観客の人気を集めて、幼くして王子から奴隷に転落したという過去が人々の同情を集め、次第に国民への影響力を強めるようになる。アレックスの存在に脅威を感じた実兄イピクレスは、父親と同じようにアレックスにあらぬ疑いを掛けて彼を処刑しようと画策した。公開処刑当日、闘技場で大観衆が見守る中、アレックスの身のうちに秘めた真の力が覚醒する。…続きを読む