性別が逆だったらと、思ったことはありませんか?

第30回電撃小説大賞 10K Active
著者: 久河蓮真
時間: 4 月 前
まとめ:

――もし、性別を変えられるアプリがあるとしたら、きみはどうする――?女子高生の楓は、幼馴染である男子高校生の千弦に思い切って告白したが「女は無理」と断られ、ショックを受ける。傷心の夜、彼と遊んでいた性別転換加工アプリの『ジェンダーチェンジアプリ』を使って、自分自身が男だったらと物思いに耽る楓だったが……なんと。朝起きたら、本当に男の姿になっていた。楓は男友達として千弦と遊ぶという念願を叶える。だが、どうも心が満たされない。男の状態で改めて告白し直しても、やはり告白を断る千弦に、楓はその本心を聞き出すことにする。千弦は恋愛の資格がないと語り、自分は「男性が嫌ではないけど、女性のようになりたい」と心の内を告白した。最初は驚いた楓だが、過去に似た気持ちを抱いていたことを思い出す。そして、千弦にジェンダーチェンジアプリのことを打ち明けた。楓の話を信じきれない千弦だが、同じくアプリを使って、女性になってみることにした。性別逆転デートを通じて、心中を共有した二人は、互いに理想を噛み締めながらも「これまでの自分のままで認められたい」と元の性別に戻ることを決める。「千弦の最も親しい人でいさせてくれるなら、私は何者であっても構わない。この関係に、これという名称なんていらないんだ。もっと特別な間柄ことだからね」「ありがとう。ただ一緒にいるだけでもいいのなら、楓のそばにいさせてほしいな?」これが恋愛と呼べる関係じゃなくてもいいけれど。この気持ちを恋と呼ばずとして、一体なにが恋なのだろうか。楓と千弦は、二人なりの「恋愛」の形で寄り添っていくことにする。…続きを読む

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