2016年夏。僕達は再び出会う。それは父宛の荷物から始まる淡い恋の物語
それは、2016年の8月11日から8月17日までの7日間の出来事その年、父を交通事故で亡くした旧井健一(うすいけんいち)は母と共に父の初盆の為に、父の実家に帰る。その手には、出発の直前に父宛に届いた荷物。その中には小さなロボットが入っている。誰が何のためにこんなロボットを送ってきたのか?そして実家に帰省した健一は、そこでひとりの少女と出会う。「久しぶり。健一君」と少女は言った。だけど健一はその少女の事を覚えていない。その少女ー篠原纏(しのはらまとい)ーの助けを得て、何とかロボットを起動させることに成功した健一は、少しずつ纏に惹かれていく。ロボットを通じた亡き父との再会、そしてその出会いの果てに彼らが見つけたのは何なのか?物語の舞台は、岐阜県大垣市青墓町かつては遊女の宿として栄え、説教節小栗判官と照手姫の舞台ともなったこの場所で、繰り広げられる7日間の小さな恋の物語人工知能と家族が織りなすハートフルストーリーちょっとノスタルジックな風味が漂うお話です。◆登場人物紹介・旧井健一 うすいけんいち 14歳本作品の主人公。4カ月前に父親を亡くし、父親の初盆の為に、母と共に、父親の実家に帰る事になります。帰郷前に父の会社から届いた小さなロボットを何とか動かそうとしますが・・・・篠原纏 しのはらまとい 14歳本作品のもうひとりの主人公。旧井家のお隣さんである、柚原家に住む女の子。不思議な雰囲気を纏った女の子で、彼女は8年前に健一と会ったことがあると言いますが、健一は覚えていません。Oguri1号と一緒に入っていた専門用語で書かれた英語のマニュアルをスラスラと読んでいけるほど頭の良い子で、健一は徐々に彼女に惹かれていきます。・Oguri1号 帰郷前に父の会社から届いたロボット。青墓の有名な伝承である「小栗判官と照手姫」の中の「小栗判官」の名称を持つこのロボットは、父親の作ったものなのかもしれないと健一は思います。その真相は果たして?・旧井一郎 うすいいちろう 45歳健一の父親、4カ月前に交通事故で亡くなりました。IT会社に勤めていて、どうも人工知能の開発をしていたようです。・旧井次郎 うすいじろう 43歳父親である旧井一郎の3人兄妹の次男。地方公務員で、大垣市に住んでいます。奥さんと、2人の子供がいます。結構な苦労人です。・旧井妙子 うすいたえこ 35歳一郎の三人兄妹の末っ子。大垣市内でオリジナルの服飾店を営みます。破天荒な性格で、色んなトラブルを巻き起こしがちです。一郎のことを「いちにぃ」次郎の事を「ジロちゃん」と呼びます。・旧井秋子 うすいあきこ 42歳健一の母親、夫を亡くし悲嘆にくれる毎日を送っていましたが、ようやく立ち直り、来月から働き始めることに決めました。あまりわがままを言わない健一の事が心配の様です。・旧井碧 うすいみどり 36歳次郎の奥さんで、学と愛の母親。妊娠中で、もうすぐ3人目の子供が生まれます。・旧井学 うすいまなぶ 8歳次郎の長男。小学3年生でゲーム好きの少しおませな男の子。外で遊ぶのも結構好きで、昆虫にも興味があります。・旧井愛 うすいまな 4歳次郎の次女。4歳の可愛い女の子。人見知りで初対面の人には滅多に懐きません。ですが何故か纏のことは好きなようです。・旧井健造 うすいけんぞう 73歳健一の祖父。今は隠居の身ですが、昔は民俗学の教鞭をとっていたとのこと。IT企業に務めた一郎とは喧嘩が絶えなかったといいますが・・・・旧井とめ うすいとめ 69歳健一の祖母。おおらかな性格で、旧井家の要です。・柚原徹 ゆはらとおる 63歳旧井家の隣家である柚原家に住む老人で、纏の叔父に当たります。昔健造の教え子だったとのことです。・柚原たかし ゆはらたかし 31歳柚原徹の子供であり、市内にあるITベンチャー施設でフリーのエンジニアとして活躍中。纏は、彼ならばロボットを動かせると言いますが・・・・国枝聡子 くにえださとこ 14歳纏の同級生。怪談や超能力などが大好きな女の子。ひょんなことから纏に興味を持ち、何とか友達になろうとしますが・・・・小林恵 こばやしめぐみ 28歳父一郎の同僚であり、Oguri1号の開発に関わるエンジニアでもあります。子供っぽい性格で、一郎の事を「先輩」と呼んでいます。・部長 56歳父一郎の上司。Oguri1号の開発の責任者です。…続きを読む