”嫌だ、離れたくない！””大丈夫ですよ、お嬢様、きっとまた会えますから。だからもう泣かないでください。”目の前で泣きじゃくるまだ4歳のお嬢様に、従者の少年は跪いて親指を頬にそわせ、とめどなく溢れ出る涙を丁寧に拭ってやる。”どうしてまた会えるってわかるの？このまま離れ離れになったら、どこにいるかわからないのに。””分かりますよ。””どうしてそう言い切れるの？”見えない不安と恐怖に押しつぶされそうな顔の主に、従者はいつものように優しい笑みと口調でこう答えるのだった。”だって僕は、お嬢様の従者ですから。”と。