もしもこの恋心が、老人たちの入れ知恵だったら
眠りの国のクロキと桃の国のトキ(刻)。ふたりは水の国の使者の占術で夫婦となることになったが、婚儀の前の気持ちはそれぞれ。しかし不思議なことに一目会った時からふたりは気持ちが通じ合う。それも必然。全てはふたつの国を堕落させ、潰すためのこの世の老人たちの遊び。年若い男女が破滅していく様を見て、愉悦を得る老人達。老人たちや水の国に対抗するためにはむしろ無理矢理決められた結婚で幸せになるしかない。二人は毎日のように睦言を交し、日々を生きるが決して伝えていないことがあり、それゆえにとうとう老人たちたる魔術師たちが激怒。その結果、クロキとトキは、今後は決して交わらず、互いに触れず、この世を見守る人柱として「百年」。この世界の間違った風習を変えるという。この世の愛を取り戻す、永遠を守り抜くことに挑むことを誓うが……。世界を変える運命の恋。そのためにはもう、互いに触れ合えない。当初の物語は性描写はなく、むしろなかなか結婚生活を送ろうにも何かしらの邪魔が入り、お互い少しずつ惹かれ会いながらも離れ離れ。やっとクロキのお城で暮らすことになっても、狡猾な小悪魔メイドと、無邪気な金髪の眩しい心優しい庭師とそれぞれに打ち解ける自分たち。しかし、内心は嫉妬心で狂いそう。そんなある日、黒い森を抜けて草原にある小屋で半日ほど過ごしてみないか?とクロキからトキへのデートのお誘い。しかし、馬が足を痛めてしまい、歩かせるわけにもいかず、小屋の中、2人きり。やがて嵐が吹き荒れて屋敷の者もやってこれない。お互いに意識しまくりで、おまけに占いで決められた結婚。それにメイドと庭師との関係も疑い合いこじれてしまう。せっかくのデートが台無し。おまけに虚弱体質のクロキは息を荒くし倒れてしまう。そんなクロキをなにもできないで看病するトキ。ひ弱な自分を見られたくなくてつっぱねようとするクロキだが、心はだれかに、トキに寄り添いたくてしょうがない。トキは嵐の中、心が落ち着くようなハーブや薬草がないか探してみようとするが。その心に打たれたクロキに止められ、寒いので暖だけ欲しい、と迫られる。そんなふうに少しずつ、結婚したからと言ってすぐにでもコトに及ばないルートも、子供の容姿を窺わせる全身ローブのものは見届けていた。しかし、事態は子供ローブの思った方向よりちょっと淫らな方向へ。「世界を変える運命の恋」それは、幾通りもある。これは、そのひとつの妖艶なルート。サイドストーリー「あなたの呪いがわたしの命」…続きを読む