大正時代――百貨店を経営する富豪の息子・雅次(まさつぐ)。雪がちらつくある日、不慮の事故で魂の片割れのような双子の妹を亡くし、敬愛する兄の眼からは光が失われた。空いた穴を埋めようと振る舞う少年の日常は、徐々に歪になってゆく。