昭和60年、大阪府警の日野宏輔は巡査部長に昇進し西成署に赴任した。部長になるまで15年かかった。日野は落ちこぼれだった。同じ転任者の中に、25歳で警察上級職にパスした広中慎一がいた。日野は広中に反感と羨望の思いを抱く。そんな二人の前に現れた刑事ドラマのシナリオライター、稲田恭子。西成署を舞台に描かれる刑事のほろ苦い心の呟き。